半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2357 学習指導要領 解説を読む③

昨日の続きです。

道徳授業では,ねらいの中に,道徳的心情を育てるという文言をよく見かけます。
そのため,主人公の気持ちを問う発問が多かったのではないかと思います。
資料の中の登場人物の気持ちを考えさせることで,共感を求めているのです。
みんなにも同じような気持ちになったことがあるでしょう。みたいなものです。
つまり,資料の中の世界と生徒の世界を重ね合わせようとしているわけです。
資料の中に引き込み,疑似体験をさせるのです。
しかし,立ち止まって考えてみると,どんな気持ちがと問われて,どのような答えが出てくるでしょうか。
中学生が言いそうな答えを考えてみましょう。
A プラスのイメージの答え
①うれしい
②楽しい
③愉快
④面白い
⑤さわやか
⑥すっきり
⑦おだやか


B マイナスのイメージの答え
①悲しい
②くやしい
③怖い
④つらい
⑤苦しい
⑥つまらない
⑦面白くない
⑧やりきれない
⑨恥ずかしい
⑩うしろめたい
⑪申し訳ない
⑫むなしい
⑬不安
⑭心配
などでしょうか。

この数を多いとみるか,少ないとみるか意見が分かれるところだと思います。
私は少ないとみます。
少ない気持ちを表す言葉を答えさせることで,生徒の思考に広がりや深みがなくなってしまうのではないかと思います。
ですから,私が道徳授業を創り始めた時,1つの制約をつくりました。
それが,気持ちを問わないということです。

発問の話はまだまだ続きそうです。(果たして続くのかな)