半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2193 読破27冊目「道徳授業の教科書」

●「道徳授業の教科書」(野口芳宏 さくら社)★★★★
野口先生の道徳授業の中で一番,印象に残っているのは,「岐路の選択」という授業です。
この授業を受けたことで,私の道徳授業に対する意識が大きく変わりました。
衝撃を受けたといってもいいでしょう。
その後,「幸福の条件」「教育勅語」の授業など多くの授業を受けてきました。
この本には,野口先生の道徳授業に対する根本的な考えと授業の実際が掲載されています。
特に,教師の熱い思いで授業を実践する「実感道徳」の必要性を感じます。
どこからか借りてきたような道徳授業を「道徳ごっこ」と言われています。
道徳授業を創って実践している私にとって,この言葉が胸に刺さりました。
自分のハートにぐっときた題材を資料化し,教師の哲学に基づいた授業をすることの大切さを再認識しました。
以前,私は雑誌に「(道徳授業で)もっと教師の価値観を押しつけよう」というタイトルで原稿を書いたことがあります。
このことについて,野口先生は次のように書かれています。
「まだ自分の確たる価値観を持たない子どもたちに,物事の本質的な価値観を教え,身に付けされる基礎指導が道徳だ。正しいことは教え込んでよいのだ。生きていく上で基本となる正しい価値観は,教え押し付けていくべきなのだ」
勇気が出る一文です。胸がすく一文です。

読後,野口先生の道徳授業をまた受けたくなりました。

授業づくりの教科書 道徳授業の教科書

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