半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3576 「現代教育科学」

以前,明治図書から「現代教育科学」という月刊誌が発行されていました。
なかなかに堅い内容で,じっくり読まないと理解できないコアな内容でした。
しかし,執筆されている方々はスゴイメンバーでした。
野口芳宏,岩下修,酒井臣吾,明石要一,諏訪哲二,鈴木健二,佐藤幸司,宇佐美寛などの先生です。
その雑誌の2009年10月号の特集が,「道徳の時間」の改革・充実を図るでした。
10年前に学習指導要領が改訂された時のものです。もう一度読み直してみると,実に興味深いです。
道徳化に向けていろいろな意見が出ていますが,今と同じ意見が多いのです。
○押谷由夫先生は
「心に響く教材であり,道徳的価値を通して人間や他者,自己について深く考えさせられる教材を選定・開発することである」
○毛内善威先生は,
「発見のある授業とは,自分の生活を振り返りながら,道徳的価値について今までと違う視点を見つけたり自分の生き方について深く考える契機になる授業である」
○佐藤幸司先生は,
「そういう資料に出会えるのは,こんな子どもに育てたいという教師の思いがあるからなのである」
鈴木健二先生は,
「どのような道徳の授業をつくるかを考える時に,重要なのは,めざす子どもの姿を明確にもっているかということである。

このような骨太の教育雑誌が休刊になっていることは,とても残念です。
一番の原因は教師が教育書を読まなくなったからです。
復刊を切に望みます。