19日に,文科省の中教審で教員の働き方改革をすすめる素案が発表されました。
そのポイントが,読売新聞に掲載されていましたので,中学校教師としての考えを書いておきます。
①すべての教員の残業を45時間以下にする。将来的には月20時間を目指す。
→情報セキュリティの関係で文書や教材,資料等を自宅に持ち帰ることはできません。ということは,学校で仕事をするしかありません。
若手教員は教材や文書のストックが少ないため,学校に残って仕事をするしかないのです。
→土曜日の部活動指導時間を,平均3時間とすると月12~15時間となります。しかし,公式戦があると8時間近くはかかります。これだけでも20時間は超えます。教員を部活動指導から完全に切り離さない限り,残業45時間や20時間は不可能です。
②新卒1年目には学級担任を持たせない。
→これは賛成です。
初任者指導を担当していた頃に,市教委へ言い続けたことです。
3月までは大学生だった人間がいきなり教師になるわけですから,うまくいくはずがありません。特に学級経営そのものが分かっていませんから,次第にくずれはじめます。
加えて,初任者研修が多く,学級につくことができない時間が多くなります。
また,年間数回の研究授業をさせられますので,指導案作成や授業準備などで多くの時間がとられてしまします。(中には,市教育部会や市や県の研究指定校の公開授業を初任者にさせることもあるから驚きです。ベテラン教師が,やりたくないので初任者に丸投げするのです。)
授業が上手くなる前に,学級経営をしっかりと学ばせる必要があります。
授業が上手くなるのはあとからでも大丈夫です。下手な授業でも生徒はついてきてくれました。私の場合はそうでした。
ですから,まずは1年目は副担任をさせて,いろいろな先輩教師の学級経営を徹底的に学ばせることが重要なのです。
「授業で勝負」ではなく,「学級経営で勝負」させるのです。
(続く)