半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3097 指導案検討会ではなく指導案点検会

校内で研究授業をする時に,正式な場で学習指導案を他の教師と検討することはほとんどありません。
まあ,若い教師が管理職に見せて指導を受ける程度でしょうか。
しかし,これが市や県レベル以上の研究授業では,指導案検討会することが多いようです。
私も指導案検討会に参加したことはほとんどありませんが,次のようなことについて意見交換を行っていると思います。

①指導案の形式について
②誤字脱字について
③文章表現について
④授業の流れについて
⑤発問について
⑥板書について
⑦評価について

これらについて,複数の教師で指導案を読み,修正や変更をしていく作業だと思います。

確かに,自分では気づかない間違いを他の教師が見つけることは度々あります。
そういった意味でも,複数の目で指導案を点検することは大切でしょう。
また,授業のネタや資料やアイデアをもらうことも大切でしょう。

しかし,題材観や発問について,他の教師が意見を言うことに疑問を持っています。
指導案とは,授業者がしっかりとした自分の考え(教育哲学)で書くものだと思っています。
言い方を換えれば,指導案で自分らしさやこだわりを出すことになるのです。
しかし,誤字脱字や間違った表現以外のことを他の教師からいろいろと言われて変更することで,授業者の色やこだわりが薄れてしまうのではないかと思うのです。

こうなってくると,指導案の中に備考として,指導案作成協力は,○○部会指導案検討会と明記しなければいけなくなります。

結論です。

指導案は,授業者が責任もって書くべきです。
もし,その指導案を検討する必要があるならば,授業後の研究協議で参加者全員で検討すればいいのです。

事前の指導案検討会でいろいろな意見を言われたり,時間をかけすぎたりすることで,授業者はモチベーションが低くなるのではないでしょうか。
やる気が薄れてしまうのではないでしょうか。

そのようなことに時間をかけるぐらいならば,教材研究や発問づくりに時間をかけたほうがよいと思います。

研究授業の目的は,指導案を見にくることではなく,授業の実際を参観することで自分の授業改善のヒントをもらうことにあるのです。

指導案検討会という名称を指導案点検会に変えたらどうでしょうか。

まあ,こんなことを考えているのは私ぐらいでしょうね。きっと。