先日,長崎大学で行った道徳教育特別講義のなかで次のような質問をしました。
「小学校・中学校の義務教育でみなさんは,314時間の道徳授業を受けてきたはずですね。では,どんな内容を覚えていますか?」
この質問は毎年行っています。
今年で13年目になる講義ですが,学生たちの答えはほとんど一緒です。
・平和について
・人権について
・部落差別について
・テレビを見た
・いじめについてなど。
あとは,席替えやレクレーションや説教などという意見もありました。
本当に心に残る道徳授業は受けてこなかったのでしょうか。受けてきたけど,忘れてしまったのでしょうか。
教育学部の学生がこのような状態ですから,悲しい事実としかいいようがありません。
自分の中に心に残る道徳授業がなくて,どうやって実習で道徳をするのでしょうか。
これは,我々教師の責任と言ってもいいでしょう。
オリジナルの道徳授業をつくれとは言うことではありません。
そうではなくて,1年間に1時間ぐらいは,生徒の心に残る本気の道徳授業をすべきではないかと言いたいのです。
教師の熱い思いが伝わるような,そんな道徳授業をしていきましょう。