半径3mの教育論

〈教育雑感編〉

3145 金賞の向こう側

明日は,文化発表会です。
この中で,合唱コンクールがあるため,各クラス,朝昼夕と練習を重ねてきました。
今日は,学年全体のリハーサルがありました。
2クラスとも良く歌い,明日の本番が楽しみになりました。
さて,このリハーサルが終わった後で,私が次にような話をしました。

「正直な感想を言います。驚きました。
 どうして驚いたのかと言えば,みんながすごく成長したからです。
 1年生の時の歌声とは違って素晴らしい歌声になっていました。
 そこで,先のことを考えました。
 明日は,合唱コンです。この2クラスのどちらかが金賞を獲ることになります。
 その先を考えました。来年は3年生です。
 3年生は合唱コンの後,市の音楽祭に出場することになるのです。
 ここにいる仲間と一緒にアルカス大ホールのステージ立つのです。
 素晴らしいステージに立って歌っているみんなの姿を思い浮かべながら聞いていました。
 その先も考えました。
 みんなは結婚して,子どもが生まれ家族ができるでしょう。
 そして,家族でアルカスの前を通りかかった時に,必ずこう言うでしょう。
 ここで,お父さんお母さんは,中3の時学年全員で歌ったんだよ。
 そして,当時の仲間のことを思い出すでしょう。
 歌は思い出を深めるのです。
 歌は思い出を濃くするのです。
 カラオケの歌では,無理なのです。
 仲間と一緒に合唱曲を歌うことが大切なのです。
 明日は今日以上に緊張すると思いますが,
 今言った先のことを考えて仲間と一緒に素晴らしい歌声を響かせてください。
 期待しています。」

この話が終わって,体育館から出る時に,1人の女子が近づいてきて,
「先生の話の最後のほうで感動して,涙が出そうになりました」と言ってくれました。

どうかその感動を明日の歌にのせて欲しいと思います。