若い教師が育っていないと感じることが度々あります。
基本的なことが身についていないのです。
朝の会や帰りの会のやり方,集団の動かし方,話術,褒め方,叱り方など挙げればきりがありません。
その理由は4つあると思います。
1つは,初任者を育てるシステムの問題です。
昔は,初任者指導を担当する教師が,勤務校にいて随時指導をしてきました。(私も2度担当者になったことがあります)
しかし,現在は拠点校方式となり別の学校の指導教員が週に1から2回ほど来校し,講話などをしています。
もちろん,勤務校の教師が指導をする場面もありますが,拠点校指導員がいますので踏む込んだ指導がしにくいという現実があります。
2つは,勤務校に教科担当が初任者一人しかいないということです。
中学校では,教科担任制ですから,他教科について詳しい話ができません。
養護教諭も同じことです。
ですから,教科に関する悩みや疑問がすぐには解決しません。結局,不完全なまま授業を行うことになります。
養護教諭は,特に難しいのです。専門的な話ができません。
つまり,教師が成長するために必要なタイムリーな指導を受けられないのです。
その場,その瞬間で指導を受けることが重要なのです。
3つは,若手教師自身の問題です。
学ぶ意欲はあると思いますが,なかなか動かないと思います。
公的な研修会は義務研ですからもちろん参加しています。しかし,民間団体のセミナーや研修会にどれぐらい参加しているのでしょうか。疑問です。
また,教育雑誌や教育書をどれぐらい読んでいるのでしょうか。
分からないことや疑問点は,すぐに先輩にたずねるということができているのでしょうか。
4つ目は,ハラスメントの問題です。
昔は,先輩教師に怒鳴られることもありました。職員会議で,発言するとバカ呼ばわりされたこともありました。昼休みに,同じ初任者と話をしていると,学級へ行って生徒と話をしなさいと厳しく指導されたものです。
酒席では,すべての先輩教師から酒をつがれ,飲み干さないと怒られていました。酔いが回ってくると,説教が始まることもたびたびでした。
現在,こんなことをやっていると,パワハラとかアルハラとかセクハラか言われそうです。
めんどうなことになるぐらいなら,若手教師を怒ったり,強い指導をしたり,説教をしたりしないようにしておこうと考えてしまいます。
厄介なことには近づかない先輩が増えてきているように思います。
結局,当たり障りのないような指導で終わっているのです。
若手教師はいずれ中堅教師になり,その中堅教師が若手教師を育てるのです。しかし,育っていない中堅教師が若手を育てることができるわけがありません。
この悪循環が続く限り,若手が育たないと思っています。