半径3mの教育論

〈教育雑感編〉

5846 実刑判決に思う

7年前に起こった那須雪崩事故の判決がでました。

引率教諭ら3人に禁固2年(求刑は禁固4年)の実刑判決でした。

この判決の記事を読んで,中学校の部活動の在り方について考えました。

部活動は学校教育の一環であることは間違いありません。

しかし,顧問は必ずしも教師でなくてもよいのです。

4月の校内人事では,学校長から部活顧問を言われます。一応,お願いという形にはなりますが,全員がやっているのでなかなか断りにくい空気があります。

ですから,専門外の部活動を担当することも多いのです。

私も7年間,まったくわからない女子バスケットボール部の顧問をしました。

学校長としては,全部活動の顧問が決まれば一安心です。部活動を停部や廃部にしなくていいからです。(廃部にすれば,地域や保護者からの反発がある可能性があります)

さて,このような状況で中学校の部活動は続いていることを忘れてはいけません。

万が一,部活指導中に不幸な事故がおきた場合,今回のような実刑判決がでるかもしれません。

ほとんどの教師は,校長からお願いされて,やったことがない専門外で,土日も休みなく,ほんのわずかな手当てをもらいやっていると思います。

事故が起こった場合,今回のような実刑判決が出る可能性があるのです。

部活動の地域移行が進んでいるようですが,(ほとんど進んでいないように感じます)

この判決で部活指導をしり込みする人も増えるかもしれません。

そういった意味でも,今回の実刑判決を,すべての教育関係者は重く受け止める必要があるのです。

来年度4月の校内人事では,この事件と判決を説明理由として部活動顧問を断ることもできると思います。

それぐらい重い判決だと思いました。

現場教師を定年退職した私だから言えることだと思うのです。