半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3161 読破42冊目「部活があぶない」

●「部活があぶない」(島沢優子 講談社現代新書★★★★
土日の早朝6時ぐらいに散歩をしていると,小学生のソフトボールチームが練習をしている時があります。その横には,数名の保護者がいます。
中学生が大きな水筒を持って部活に行っている姿を見かけます。
こんな風景は,世界中探しても日本だけだと思います。

このブログでも,何回か部活動の問題について書いてきました。
この本の内容に対してほとんどが賛成です。
部活動問題の根底には,社会全体の空気があることが書かれていました。
ブラック部活動はブラックバイトやブラック企業と繋がっているのです。
現場教師は,どうして休みなく部活動をやるのでしょうか。
休みなく練習をすれば,勝てると思っているのでしょうか。
部活動をやっておけば,生徒指導の問題は発生しないと思っているのでしょうか。
部活動をやっておけば,生徒との信頼関係が築けると思ってるのでしょうか。
ラグビーの指導で有名になったエディ・ジョーンズがこんなことを言っています。
「スポーツは楽しまなければいけない。10代まではその気持ちだけを育てればよいのです。でも,日本はスポーツを部活として学校教育に持ち込むことで,子供たちに規律を守らせてきた。スポーツを(生徒指導)の手段に使った部分が,ほかの国と違うのです」
なるほど。
スポーツを楽しむという意識になれば,生徒も教師も救われると思います。
こうなれば,土日をしっかりと休み,平日だけの練習でも良くなります。
もちろん,保護者の意識も変えていく必要もあります。

部活動問題が少しでも改善されることを願って,いろいろなところで発言しています。
まずは,現場教師が声を上げていかないと,教師自身がつぶされてしまう恐れがあるのです。
是非,この本を読んでください。

部活があぶない (講談社現代新書)

部活があぶない (講談社現代新書)