どの学校でも新年度になると,研究テーマを決めると思います。
例えば,「学ぶ意欲を高める授業の工夫」とか「コミュニケーション力を高める授業の工夫」とか「生徒同士が学び合う授業づくり」とかです。
話題となっている「アクティブラーニング」という言葉を入れている学校も多いと思います。
確かに素晴らしい研究テーマだと思います。
しかし,根本を考えてみましょう。
忙しい学校現場で,上のような研究ができるのでしょうか。
研究であれば,仮説を立て,検証し,結論を出すことになります。
そして,結論を参考にして授業を改善していくことになると思います。
このような研究が難しいと考える理由は2つあります。
①十分な時間がないということです。
週に1回の職員会議でさえ,全職員が揃わないこともたびたびです。研究に割く時間をどうやって確保できるのでしょうか。
②研究に入る前段階が問題となっている場合が多いということです。
何かと言えば,50分間の授業に全生徒を参加させ,集中して授業を受けさせている教師がどれぐらいいるのか疑問です。場合によっては,私語が多く説明を聞かないような授業もあるのではないかと思います。
こんな状態で,十分な研究ができるのでしょうか。
確かに全職員が共通目標を持つことは大切だと思います。
大切だからこそ,全職員が共有できるような身近なテーマで研修をしていくべきだと思うのです。
つまり。まずは足元を固めるような地道な研修をしていくことが大切なのです。
野口芳宏先生から,研修とは「研究」と「修養」からなっているそうです。
今の教師に足りないものは「修養」だと言われています。
私もその通りだと思います。
研究指定校や付属中学校であれば仕方がないでしょうが,普通の学校は,研究よりも「修養」に力点を置くべきだと思います。