中学校の社会科教師として,戦争を教えることの難しさを感じています。
中には,事実を淡々を教えている教師もいます。
教科書の記述も少ないため,沖縄戦や日ソ戦,シベリア抑留を丁寧に教える教師はほとんどいないと思います。
私は,太平洋戦争では,漫画「この世界の片隅に」を使い,沖縄戦では,サザンオールスターズの「平和の琉歌」を聞かせ,日ソ戦,シベリア抑留では「帰ってきた男」(小熊英二 岩波新書)を使い,丁寧に教えます。
情を大切にした授業と言ってもいいでしょう。
今日は,沖縄慰霊の日です。
学年主任をしていた頃には,学年通信に「太平洋戦争 最後の証言 大和沈没編」(門田隆将 小学館)の一部を引用して発行したこともあります。
〈引用始まり〉
「特別攻撃隊という使命を帯びて大和で沖縄へ行かれた方たちが,その足元におられるわけです。私は三千人からの人が,一つの魂となって,沖縄へ行こうとしたことがすごいと思うんですよ。それだけの人が国を救おうと思うて行ったんじゃからね。そういうことを国民の皆さんにも,よく覚えて欲しいと思うんですよ。あり合せの燃料を詰めて,三千人からの人が国のために一丸となった精神を見せてくれた。日本がこんだけ平和になったのも,礎になってくれたこういう人がおってくれたわけじゃから。私はその大和の精神は不滅だと思うとりますよ。」
〈引用終わり〉
これも情を大切にしたものです。
これからも,折に触れて情を大切にした社会科授業をしてきたいと思います。
正午に黙祷を捧げます。