半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5837「山はおそろしい」

「山はおそろしい」(羽根田治 幻冬舎新書)を読みました。

最近は,山ガールや高齢者の登山など登山ブームがあるようです。感染拡大がおさまり,登山者の数は増加傾向にあるそうです。

登山者が増加すれば,遭難者の数も増加します。この本によれば,ここ10年の遭難事故の発生件数は2500件前後で,そのうち死者・行方不明者の数は300人だそうです。

この数字を見ただけでも,山はおそろしい場所であることがわかります。

この本は,遭難事故や沢登り中の溺死,クマやハチに襲われた人などを取材したノンフィクションです。

これらに共通していることは,山を甘く見ているということです。

十分な知識もなく,装備も不十分(ホームセンター装備で冬の富士山に登ろうとして遭難した人もいました)なまま登山に挑む人がいるのです。

「山はおそろしい」と認識してれば,このような事故を防げたのかもしれません。

死者の数も減るのかもしれません。

7月には,富士登山が開始されます。お年寄りや子供が登頂しているニュースをみて,自分にも登れるという気持ちが起こってきます。

しかし,富士山でも遭難します,滑落して亡くなった人もいます。

相手が人間の力をはるかに超える自然であることを今一度,言い聞かせる必要があるのです。