半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5623 かなしみ→よろこび

10月21日の読売新聞の「編集手帳」にやなせたかしさんについて,こんな文がありました。

〇「手のひらを太陽に」(1961年)は,1番に〈生きているから かなしいんだ〉とあり,2番に〈うれしいんだ〉とある。悲しい方を先に選んでいる。

 

このことが気になって,やなせさんの本を書い読んでみると,その理由がわかりました。

戦争体験や売れるまでの相当な苦労があったから,こんな詩を書いたそうです。

その本の中に,悲しみがあるからこそ,その後にやってくる喜びが何倍にもなると書かれていました。

やなせさんのこの言葉を悩みを抱えている生徒のために伝えたいと思い,3年前に自分で道徳授業をつくり実践しました。

それが,道徳授業「悲しみとよろこび」です。

令和4年度の第1学年の生徒の感想です。

〇人が亡くなったら,人や生きることの大切さがわかるし,失敗があるから,それが成功につながるのだと思います。これからは,悲しみの心も大切にしたいと思います。悲しみを深くわかって,うれしさをそれよりもっとわかりたいと思いました。

〇自分の考えとみんなの考えがだいぶちがっていたので,やっぱり道徳は面白いなと思いました。道徳には正解がないと思うのでこれからもいろいろな考えを出していこうと思います。

〇生きることの意味を知ることができました。悲しみがなければ,喜びはないということは,正しいと思います。理由は,悲しいことがあったからこそ,努力ができるし,うれしいことにもつながると思うからです。
〇何となく聞いていた歌に,人生で大切な意味が込められていたことを知り感動しました。
〇私も一度挑戦して失敗してくやしかったけど,次頑張ろうと思い,挑戦すると成功してうれしかったことがあります。だから,「悲しみがあるからうれしさがある」は本当だと思いました。
〇「生きていると良い事,悪い事,いろいろと起こります。私も不幸や悲しみ辛いことを経験してからこそ幸せや普段の幸せを実感できると思います。

 

来年4月から放映されるNHKで朝ドラ「あんぱん」が楽しみです。