半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5622 生徒は「お子様」か? 

「子どもは若殿,姫君か?」(川嶋優 ディスカヴァー携書)を再読しています。

この本の副題が「現代教育批判」です。

 

この本の「はじめに」にこんなことが書かれています。

 

 

世界中の国で,高校生を対象にアンケートをとったことがあります。

その一番に,「気にくわなかったら,親に反抗してよい」

これに対して高校生はどういう意識を持っているのか。たいていの国は,

「いけない」がほとんどで,「よい」と答えたのは20%弱でした。

ところが,1つの国だけ,「よい」と答えた者の数がずば抜けて高い国がありました。日本です。アンケートに答えた日本の高校生の80%が,「親に反抗してよい」と答えていたのです。

それでは,学校の先生対してはどうでしょうか。

「気にくわなかったら,学校の先生に反抗してよい」

この項目に「よい」と答えたのは,世界各国20%弱。一国だけ,ずば抜けて高い国があります。85%,日本です。

そして,「学校へ行きたくなければ行かなくてもよい」

これも,各国20%以下。

やはり,一国だけずば抜けています。

65%がよい。と言ってる国があります。これが,日本なのです。

愕然とする結果です。

 

現在の様々な教育施策は,あまりにも子供を大切にし過ぎているように感じます。

子供のためという美辞麗句のもと,優しすぎる教育を進めているのです。

学校だよりなどに書かれている「お子様」という言葉がその最たるものです。

優しすぎる教育を続けていくと,

がまんできない,

嫌いなことはしない,

楽しいことしかしない,

快・不快が判断基準,

自己中心的,

周りのことを考えられない

人間をつくることになるのではないかと思っています。

 

この本の初版は,2007年3月です。16年前に書かれた本です。

16年間で,子供は良い方向へと変わったのでしょうか。

校内暴力やいじめや不登校の増加をみると,良い方向どころかまずい方向へと進んでいるように感じます。

 

 

 

 

 

 

 

叱ると暴言となります。