半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3553 人権啓発講演会

今日の午後は,人権啓発講演会に行きました。
その理由は,講師がドリアン助川さんだったからです。
ドリアンさんは,当時TETUYAという名で朝日新聞の「ティーンズメール」というコーナーで若者向けの人生相談をしていた頃に出会いました。
悩みに対する答えがとてもユニークでしかも心に刺さる言葉があったので印象に残っています。
そこで,書籍化されるとすぐに購入して,ドリアンさんの答えを教材にして道徳授業をつくりました。
詳しくは『とっておきの道徳授業 中学校編8』に掲載されています。
https://www.nipponhyojun.co.jp/sinkan/totte_chugaku8/mokuji.html
さて,この出会いからドリアンさんの本をいろいろ読みました。
ハンセン病を扱った小説「あん」も読みました。
今日の講演も,この「あん」に基づく話で,とてもいい話でした。
特に,「人は社会の役に立つために生まれてきた」という言葉を信じてきました。
逆に言えば,社会の役に立たない人は生きていく意味がないのかということになります。
そうではないと,ドリアンさんは「あん」を通して訴えています。
花を見て美しいと感じる心を持つ人がいるから,花は存在しているのです。
髪をなでる風が爽やかだと感じる人がいるから,風は存在しているのです。
つまり,そんな心をもったあなたの存在が世界を宇宙をつくっているのです。


なんて,感性が豊かな人だろうと思いました。
今日の夜,もう一度「あん」を読み返そうと思います。