半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

1492 80㎝の距離

私が初めて学級担任したのは,1年5組でした。私も若く1年生ということもあり,とてもかわいがっていました。休み時間や昼食の時など私の周りに集まってきて,くだらない話をしていました。生徒に対しても下の名前(「えいじ」とか「なお」とか)で呼んでいました。まあ,早い話がお兄さん教師だったわけです。
さて,この学校に3年間勤務した後,市内中心部の学校に転勤しました。生徒に対しては,同じようにお兄さん教師で接していました。はじめは楽しくやっていましたが,あることがきっかけで女子生徒との関係がうまくいかなくなりました。あれほど仲良くしていた生徒でしたが,一気に関係が悪くなりました。指導してもなかなか話が通りません。
つまり,生徒との関係が近すぎたのです。関係が良好な時は,指導もうまくいくのですが,いったんこじれると指導が全く通らなくなってしまうのです。
このことを反省し,生徒と距離について考えました。その結果,適度な距離を保つことが大切だと思いました。生徒とつかずはなれずの関係のほうが,うまくいくのではないかということです。これを80㎝の距離と呼んでいます。べったりでもなく,冷たすぎることもない距離のことです。具体的には,生徒を苗字で呼ぶことです。「田中君」とか「山下さん」とかです。
このことは,若手教師にはしっかりと考えてほしいところです。