半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5564 すべては土台づくり

野中信行先生の新刊「ここだけはおさえたい!教師1年目の授業づくり」(学陽書房)を読みました。

タイトルにあるように,若手教師向けの本です。

しかし,ベテラン教師もやっていない,知らない(だろう),教師のとしての基礎基本が具体例をあげて紹介されています。

野中先生が「はじめに」でも書かれていますが,まずは,「土台づくり」が大切なのです。土台である学級が安定していないと,授業はうまくいかないのです。

全国学力調査の結果が発表されると,現場教師は大変忙しくなります。(特に,国語,数学,英語教師)

分析と対策をまとめ,研修が開催され,研究授業を行い,研究協議を行うからです。

これを毎年繰り返しています。

さて,学力は向上してるのでしょうか。

残念ながら,本市の結果は思わしくありません。

その理由は,授業改善のみに注目しているからだと思います。

大切なのは,「土台づくり」なのです。

集団づくりと関係づくりを学び,実践していくことが大切なのです。

野口芳宏先生もこう言われています。

東日本大震災後に被災地を訪れて気づいたことがあった。津波で多くの家屋が流され倒壊していたが,残っているものがあった。それは,建物の「基礎」だ。家の柱を立てる石やセメントの「基礎」は,すべて流されずに残っていた。」

教育も同じなのです。

「基礎」がしっかりしている教師になることなのです。

つまり,「基礎」=「土台」です。

「基礎」(土台)がぐらつき安定していない教師の授業に生徒がのってくるはずがありません。一生懸命に取り組むはずがありません。

教師としての「基礎」を身につけることで,自信ができます。自信をもって生徒の前に立つことで,生徒は安心して信頼して授業を受けることができるのです。

そういった意味でも,この本は若手教師に限らず,ベテラン教師にも是非読んで欲しいと思います。