半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4617 読破18冊目「部活動の社会学」

〇「部活動の社会学」(内田良 岩波書店★★★

学習指導要領には,
「生徒の自主的,自発的な参加によって行われる」と明記してあります。
また,文部科学省の「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革(令和2年9月)では,「部活動は必ずしも教師が担う必要がない業務」という前提も書かれています。しかし,現在でも,当然のように部活動は教員が顧問を担当し,休み返上で参加しています。しかも好きでもない種目や専門的でもない種目を担当している教員も多いはずです。こういった理由で,部活動について疑問や不満がある教師は少なくないはずです。採用試験の倍率が低迷している理由の一つに教員は休みがないというものがあります。
これからは,部活動について教師一人一人が声を上げていくべきです。この本は,内田先生が全国の教師に行った様々なアンケートを分析し,部活動がかかえる問題点や将来の方向性を示しています。部活動をなくせとは言いません,せめて教師も生徒も幸福になる,スポーツが好きになるような政策を早急に実施していく時期だと思うのです。