半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3428 過渡期の部活動

スポーツ庁が今年の1月に部活動指導のガイドラインを発表して,県教委→市教委→学校現場という流れでおりてきています。

その主な内容は以下の通りです。

〈運動部活動ガイドラインの骨子の概要〉

①休養日は週2日以上で、平日は1日以上、土日で1日以上

②夏休みなど長期休業中は部活動も長期の休養日を設ける

③1日の活動時間は平日2時間、休日3時間程度

④科学的トレーニングを導入し、短期間で効果が得られる活動にする

⑤スポーツクラブなどと連携し、地域のスポーツ環境整備を進める

⑥大会の統廃合を進め、学校が参加する大会数の上限を定める


部活動に時間的な制限を加えたところは,前進したと思いますが,平日2時間,休日3時間程度の部活動に参加する教員は,時間外労働になることには変わりありません。
また,中学校では,専門的な知識や技能もない教員が部活動を担当することも珍しくない状態です。
そんな教員に④ができるのでしょうか。

この骨子は,生徒の安全や健康面などを考慮して作成されたと思われます。
しかし,教師の教材研究や心身面のリフレッシュの時間確保も同じように大切だと思います。
激務によって教員が倒れてしまうと,結果的に生徒にとって大きなマイナスになってしまうからです。

教員は倒れてもいいから生徒のために寸暇を惜しんで働きなさいというのは,現実的ではないと思うのです。

2017年に名古屋大学の内田良先生が調査した結果を見ると,現場教員は生徒のために学びたがっていることがよく分かります。
この結果を重く受け止めて,
今こそ教師の仕事とは何なのかをしっかりと考える時期なのではないでしょうか。
ということで,今日も午前中は部活動に参加してきました。
内田先生の記事は,こちらです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/20180401-00083410/