文科省が教師の長時間労働を改善するために3つの提案をしていましたが,3つともうまくいきそうにありません。
その理由は,長時間労働が問題ではないからです。
教師に限らず,好きなことや明確な目的意識をもって取り組むことは,長時間であっても納得いくものです。
逆に,やらなくてもいいことをするときは,苦痛を感じるものです。
つまり,やらされ感が強い仕事が多く,そのため長時間労働を強いられているという事実を見なければいけないと思います。
やらされ感が強いと感じている仕事をいくつか挙げます。
例えば,本市では虫歯予防のために週に1回,朝の時間を使ってフッ化物洗浄を行っています。
前日に,適量の薬品を水に溶かして洗浄液を作ります。それを冷蔵庫に保管します。同時に紙コップを生徒数分,分けて保管します。
当日は,紙コップに必要量の洗浄液をプッシュし,時間を計って口を洗浄させます。
これだけでも,結構な時間がかかります。
果たして,学校でやるべきことでしょうか。
例えば,校内研究です。
多忙な現場で研究ができるのか疑問です。
研究テーマに沿って,指導案を作成して研究授業を実施します。その後,全職員が参加する授業研究をして改善点などを話し合います。
研究ではなく,実践交流という形で実施することもできます。
指導案など書かずに,見たい時に,見たい教師の授業を参観します。そして,気づいたことや改善すべき点をメモなどに書いて渡します。時間があれば,放課後などを利用してお茶を飲みながら交流会を開くようにします。
校内研究や研究授業という堅苦しい形にすることで,授業に対して難しい意見しか言えないような雰囲気になります。
そうではなく,授業の悩み,ヒント,アイデア,教材などについて,職員室で日常的に会話があるような空気を作るのです。
例えば,部活動です。
部活動については,その部活動が好きでやっている教師もいますが,専門ではない部活動も半強制的に担当させられている教師もいます。(私もその一人です)
この部分が,長時間労働という苦痛を感じているところなのです。
部活動を社会体育や地域の人材活用,退職校長や再任用教員を顧問にするなどの大きな改革をしない限り,改善されないと思います。
繰り返し言いますが,長時間労働が問題ではないと思います。
やらなくてもいいことを半強制的にやらされてる時間を減らすことから始めることが大切なのです。