半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4608 幸福と感じる心

JAFMATE(8・9月号)にいい話が掲載されていました。作家の宮下奈都さんのエッセイの一部です。以下引用です。
「校庭のこちら側の一角にいた男の子が何かを口ずさみはじめた。2年生か3年生ぐらいだろうか。友達と遊んでいるのが楽しくて,思わず,といった感じだった。すると,きっとコロナのせいで大きな声を出さないように注意されているのであろうと級友らしき男の子たちが,小さな声で同じ歌を歌いはじめたささやくような声で歌うことが,わけもなくうれしそうで,彼らはみんなにこにこ笑いながら歌を歌っていた。(中略)ひとりがふと歌いはじめた歌が,まわりの子たちに楽しさと一緒に広がっていく。その様子は,その場にそのときだけ咲いた明るい花のようなよろこびだったと思う。」
(引用終わり)
こういった何気ない風景に気持ちが留まり,文を書く感性に共感しました。幸福と言うのは,遠い所にあるのではなく,目の前にあるものなのです。それに気づく心があれば,どこでもどんなときでも人は幸福になれると思うのです。学校には,小さな幸福を感じる風景が毎日見られます。それを幸福と感じる心を持つ教師でいたいものです。