半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4107 読破30冊目「教師崩壊」

〇「教師崩壊」(妹尾昌俊 PHP新書★★★
様々なデータを引用して教師が直面している5つのクライシスが紹介されていました。
①教師が足りない
②教育の質が危ない
③失われる先生の命
④学びを放棄する教師
⑤信頼されない教師
この5つのクライシスが絡みあって,悲劇的な現状になっているのです。この中に藤原和博さんの言葉が引用されていましたが,こんなことをすべてこなす教師は,もはや人ではないでしょう。
〈引用始まり〉
一人の教員が 教科を上手に教え 生活指導とすべての 児童 生徒 に 関わる 事務 手続き を し、 防犯 や 防災 に 気 を つけ ながら、 一人一人 の アレルギー を チェック し、 AED( 心肺 蘇生 用 の 医療 機器) を 使える よう に し、 環境 教育 や 情報 教育 に 慣れ、 福祉 ボランティア 教育 と 国際 理解 教育 を 教え、さらに 食育 にも 消費者 教育 にも 気 を 配り、 尖閣諸島北方領土 への 意識 を 盛り たて て 日本人 として 誇り を 持た せ、 おまけ に スポーツ 指導 や 部活 を 担当 し ながら、 要望 が 強く なり がち な 保護者 の 声 に 応える……   なんて、 一人 の 人間 の やる こと として明らか に 無理 が あり ます。
〈引用終わり〉
読後,教師の未来には光が見えてきませんでした。教師を目指す若者はいなくなることでしょう。日本という国が大きな危機に直面しているということです。