11月9日の『内外教育』(時事通信社)のラウンジというコーナーに次のような記事が掲載されていました。
〈引用始まり〉
文科省が依拠する教育論は理論を偏重し,学力向上やそのための指導技術を軽んじる傾向が強い。学力は知識ではなく生きる力だとされるし,ペーパーテストでは学力は測れないという,かなり極端な指導もあった。
(中略)
今回の小学校の「英語」の場合も,大半が授業は未経験である教師への対応は後回しで,グローバル化社会への対応という理屈ばかりが先行した。
〈引用終わり〉
すべての学校の,すべての生徒に有効な理論などあるのでしょうか。
そうであれば,その理論に基づいた教育をやる学校がたくさん出てきても良さそうなものです。
例えば,学力向上の研究指定校で行われる発表会では,おおよそ次のような流れで研究をしていると思います。
①アンケートなどで生徒の実態把握を把握する。
②どこかの大学教授などが提唱している理論(教育方法)に基づき,仮説を立てる。
③その理論(教育方法)に基づき,学校全体で授業に取り入れてみる。
④授業公開をする。(校内研究授業や大学教授を招聘しての検証授業など)
⑤授業前と授業後の生徒の学力の変容を確認する。
⑥研究の課題と成果をまとめる。
やはり,ここでも理論を大切にしようとするのです。
全国各地で学力向上の研究をしているのですから,1つぐらいは有効な理論が生まれてきてもよさそうです。
しかし,実際は難しいようです。
まずは,様々な指導方法や指導技術を試してみることが大切だと思います。
その結果,学力が向上すればいいのです。
研修発表に参加する多くの教師が欲しがっているのは,理論ではなく具体的な指導方法であり,指導技術であり,指導資料なのです。