半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3888 発問の意図

昨日のフェイスブックに書いた記事です。

県道徳教育研究大会の指導案を見ました。その中で気になった部分です。
教材は,故郷に貢献した江戸時代の偉人を紹介したものでした。授業のまとめとして以下の発問がありました。
「この偉人の故郷への貢献度を10,あなたの故郷への貢献度を1だとすると,あなたは将来,どれぐらい故郷に貢献したいですか。数値を書きましょう」
この発問の意図がよくわかりません。
例えば,10と書いた生徒がいたとします。このような生徒は素晴らしいのでしょうか。
例えば,1と書いた生徒がいたとします。このような生徒はよくないのでしょうか。
故郷へ貢献するとはどんなことなのでしょうか。この偉人のように歴史に残るようなことをすることなのでしょうか。
自分を育ててくれたすべての人やものに感謝する心を持つこと
が,故郷に貢献することにつながるのではないかと思います。
例えば,
家族に感謝する。(両親や祖父母など)
仲間に感謝する。(友達や先輩,後輩など)
学校に感謝する。(施設や校歌など)
自然に感謝する。(近くの森,海,風,風景など)

こういった偉人を扱った道徳授業では,単なるすごい人物で終わってしまう可能性が高いです。感想でも,「すごいなと思いました。自分もこの人物のように故郷に貢献するような人になりたいです」などの感想を書く生徒が多くなります。

そうではなく,小さなことや身近なことが故郷を大切にすることにつながる。
そして,そういった小さなこともで,故郷に貢献することだということに気づかせるような道徳授業を創りたいと思っています。