半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3340 批判と否定

今日は,1日県道徳教育研究大会に参加しました。
午前中は,S中学校の1年生の道徳授業を参観しました。
授業の課題は,「校歌を歌い継ぐことの大切さを考えよう」でした。
校歌を資料に使い,校歌ができた当時中学生だったOBをゲストティーチャーとして活用した授業でした。
その後の研究協議での私の意見です。

今日の授業は,ひとことで言えば,予定調和的な授業だったと思います。
そうなった原因は,発問が難しかったということです。また,生徒の深い思考を促す発問や生徒を刺激する発問がなかったからです。
そこで私ならこうするという代案を示します。
①校歌をみんなで歌いましょう。
②一生懸命に歌った人はA,まあまあはB,手を抜いた人はCで評価します。
③BやCに手を挙げた人は,その理由を言ってください。
④校歌というのは,法律では作らなくてもよいことになっています。また,外国には校歌がありません。それならば,うちの学校でも校歌はなくてもいいと思います。みなさんはどう思いますか。
⑤では,この校歌ができた時に中3だったYさんから当時の話と思いを語っていただきます。
⑥校歌を歌い継いでいくためには,何が必要だと思いますか。
⑦もう一度,校歌を歌いましょう。
⑧最初歌った時と,最後に歌った時とで違いがあった人は手を挙げます。

この後,1分程度会場が静まりました。

次の先生(どこかの校長?)が次のような出だしで話しました。

「全否定された後に,言いにくいのですが・・・・・・・・」


つまり,この先生は私が授業を全否定したと,とらえたのです。
私は授業を批判はしましたが全否定していません。
批判をしたからこそ,代案を示したのです。
この話を聞いて,がっかりしました。
否定と言うのは感情論です。
批判と言うのは理論です。
否定からは何も生まれません。
批判からは新しいものが生まれます。

私自身,サークルでいろいろな批判を受けてきました。
批判されたからこそ,今の私があると思います。
批判すること,
批判されることに
慣れていない教師が多いと思います。

午後は,会場を移して,基調提案と小学と中学の研究発表が,最後に記念講演会がありました。
中学の研究発表で,N中学校のK先生が郷土の偉人を扱った道徳授業について紹介してくれました。
K先生から,以前,指導案の添削を頼まれたことがありましたので,この発表を楽しみにしていました。
道徳科になれば,このような郷土に関わる資料や教材が必要になってきますので,K先生の取り組みは,今後ますます重要になってくると思います。
発表の最後に,K先生が私に対する感謝の言葉を言ったのでとても驚きましたが,とてもうれしかったです。