半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2434 読破61冊目「放哉と山頭火」

●「放哉と山頭火」(渡辺利夫 ちくま文庫★★★★
放哉と書いて,ピンとくる人はそんなに多くはないと思います。
放哉とは,俳人,尾崎放哉(ほうさい)のことです。
また,山頭火とは,俳人種田山頭火(さんとうか)のことです。
この2人の共通点は2つあります,
1つは,自由律の俳句をつくったということ。
2つは,社会からドロップアウトして,死に場所を求めていたということ。

この2人の俳句を読むと,暗いから嫌だという人が多いと思います。
しかし,私はこの2人の俳句が大好きで,今までに数冊の本を読んできました。

この本は,放哉と山頭火の人生を重ねているところに魅力があります。

では,2人の句をいくつか紹介します。

放哉

「なぎさふりかへる我が足跡も無く」
「足のうら洗へば白くなる」
「こんなよい月を一人で見て寝る」
「大空のました帽子かぶらず」
「春の山のうしろから烟が出だした」

山頭火
「まっすぐな道でさみしい」
「なみだこぼれてゐる,なんのなみだぞ」
「分け入っても分け入っても青い山」
「何かを求る心海へ放つ」

素晴らしい感性です。
何回も読むと涙がでそうになります。