半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2187 バックギアは何のためについているか

夏休み直前の金曜日に発行した学年通心15号より

■学年朝会での話
 先週の火曜日に学年朝会の行いました。目的は,前期前半を振り返り夏休みを前に気持ちを引き締めるためでした。内容は,①各学級の様子(良かった点と改善点)②各専門部長からの報告 ③生活面や学習面の自己評価(プリントにA・B・Cで記入させました)でした。
 最後に私が,夏休みに特に注意して欲しいこと話をしました。
「(最初に,黒板にN D P Rと書きました。)これは何でしょうか。どこかでみたことがありものです。最初は分からない様子でしたが,ヒントを出すにうちに,一人の男子が「車の??」という意見を言いました。そうです,これは車のギアに書いてある文字ですね。Rは何ですか。さすがにこれは正解がすぐに出ました。そうバックですね。では,バックギアは何のためについているのでしょうか。(後ろに下がるため,駐車場に止めるためなどの意見がでました。)もちろんそうですが,バックは後ろに下がるためだけではありません。方向転換をするためでもあります。行き止まりや道を間違ったり,障害物にぶつかったりした時に,一旦後ろに下がってから別の方向に進むためです。前期前半を振り返ると,2年生の大きな問題やケガや事故はありませんでした。しかし,夏休みになると気分が開放的になり,無断外泊,深夜徘徊,花火などの火遊び,携帯やパソコンなどを使ったメールでのトラブルなどが起きやすくなります。そんな悪い誘惑に負けそうな時は,一旦停止をして,ギアをバックに入れてください。そして方向転換をするのです。バックギアは勉強も同じことが言えます。夏休みを利用して,自分がどこでつまづいたか,どこでわからなくなったのかを知るためにも,一旦停止して,後ろに下がりましょう。もちろん小学校の学習まで下がっていもいいのです。そこから,方向転換をすると,次第にわかるようになってくるのです。
 日頃,周りの大人たちから,前に向かって進むことが良いことのように言われます。しかし,間違った前方に進むよりも,一旦後方に下がり,正しい方向に向きを変えることも大切なことなのです。夏休みは,是非,このバックギアを意識して生活して欲しいと思います。8月9日に心も体も元気に再会しましょう。