半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5573 知識こそが

機関誌「道徳のチカラ20号」を読みました。

普通の教育雑誌とは違い,全国の先生たちの熱量を感じました。

それぞれの先生の「観」が見える内容でした。

中でも一番刺激的だったのは,野口芳宏先生の「私を支え,導く言の葉・抄」です。

タイトルは「知識こそが学力の中核である」です。

私は大学入試は,共通一次でした。

5教科7科目(社会2科目,理科2科目)の世代ですから,知識を詰め込むことを努力しました。

中には,数学の問題を見ただけで解く級友もいましたが,私にはできませんでした。

ですから,数多くの問題を解くことで,パターンを覚えたのです。

英単語,漢字,社会科用語,数学の公式,理科用語など徹底的に書いて,声に出して覚える努力をしたのです。

その結果,知識として身についているものが多いのです。

こういった詰め込み教育が良くないと言う風潮が広がり,知識を軽んじるようになったと思います。

知識よりも思考力,表現力,判断力が大切だということです。

しかし,思考,表現,判断は知識がないと十分にできないのです。

様々な知識をリンクさせることで,深い思考や上手な表現や的確な判断ができるはずがありません。

私が受けて来た「詰め込み教育」で今の私があると思っています。つまり,多くの知識を身につけたからこそ,ましな人間になったと思っています。

さて,野口先生はこう書かれています。

〈引用始まり〉

「知識偏重」とか「知識の詰め込みは不可」などと言われるが,詰め込んでも,叩き込んでもいいのだ。そうして豊かな知識を持たせることが大切である。私の尊敬する,さる教育学者は「切り売りにもせよ,知識を与えることは重要だ」と言っている。大賛成である。

〈引用終わり〉

最後のページに野口先生の書が掲載されていました。

「知識こそが,学力の中核である。」

大賛成です。