半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5504 思い出のミニトマト

平成2年(1990年)度の学級通信「YOU 1年4組学級だより」を読んでいたら,1つの文に目が留まりました。

当時,学級でミニトマトを栽培していました。実ったら,みんなで食べようと生徒に言っていました。

さて,そのミニトマトに対して理科担当のN先生がこんな文を書いてくれていました。

 

「最初はわずか20cm足らずであったのに,今はもう100cmに手が届きそうだ。

丈夫な茎と翼状の不思議な葉を持つこのナス科の植物。

あのくりくりとしたみずみずしい赤い9個の果実を成長させたエネルギーはどこからやってくるのだろう。

思えば偉大な力だ。

人は1個,あるいはほんの1枚の葉でさえ作ることができないのに…

「トマト」の命をそれを食べた人の中で生き続けている。

トマトを通してうるおった心は,人の思い出の中で生き続けている。

大きな仕事を成しえたよろこびでトマトは満足であろう。

理科の植物の学習が深まりました。

ミニトマトさんありがとう。

理科担当のNからでした。」

 

当時私は28歳,教職4年目のちょっと生意気な若造でした。

そんな私にN先生(おそらく50代)は,素敵な文章を寄せてくれました。

懐かしい思い出です。