半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2371 N中学校での道徳授業③

初めて会う生徒ですから,緊張をほぐす必要があります。
そんな時は,必ず笑いをとるようにしています。
そこで,今回はフェリーで船酔いしたことなどを話した後で,クイズをしました。
よくやるクイズですが,「私は何の先生でしょうか」をしました。
3択の簡単なクイズです。
A 社会科
B 理科
C 教頭先生
今回は,Bの理科が多かったです。
次に多かったのは,Cの教頭先生でした。

これで,生徒の緊張感も少しなくなり道徳授業への意欲も高まりました。
3年1組は12名の少人数でしたが,全員がしっかりと考え,書き,発表する素晴らしい学級でした。
また,生徒との関係づくりがまったくできていない教師に対して,これだけの反応がある雰囲気が良い学級でした。

N中学校の先生たちの日頃の指導が行き届いている証拠だと思います。

彼らが書いた感想を紹介します。
①私は,今日の授業で生きる意味を学べたと思います。東北大震災で失ったものは多いかもしれないけれど,復興のために行ったことが失われたものだけじゃないとなればいいなあと思いました。
②震災の中で生まれた赤ちゃんは人々に希望をもたらし,みんなが注目する光になる存在になるんだなと思いました。
東日本大震災のせいで全てが失われたと思っていたけど,震災中に頑張って生まれてきてくれた赤 ちゃんとかもいて,そのおかげで笑顔を取り戻すことができたのだと思います。なので,私も周りが暗い状況になる時も笑顔を忘れずにみんなを笑顔にさせれるような人になりたいです。
④震災が起こって失われたものが多いけど,その中で今日の授業のように新しい命が生まれたり,生まれる時にたくさんの人たちが協力してくれたり,得たものもたくさんあると思った。
⑤今回,Y先生の授業を受けて,震災の日に生まれた人がいるということを知ることができたし,生きているということがどれだけ幸せで,人に笑顔を与えられるかということが分かったのでよかったです。
⑥3月11日にこんな大震災の中で,生まれてきた赤ちゃんは喜びや夢などをもって生まれてきたんだなあと思いました。大震災では,家や食品も奪われて悲しいこともありましたが,でもこのこが生まれてきてよかったなあと思いました。
⑦今日の授業では,東日本大震災について考えることができました。僕はメディアを通じてこの震災を知って,僕が過ごしているこの時間も苦しんでいる人がいるんだと思いました。しかし,その中でも赤ちゃんが生まれたり,人と人とのつながりを感じたり失われたものだけじゃないと思いました。
⑧今日の道徳の授業で命の大切さや生きること生きていくことの大切さがよくわかった。震災で失ったものだけじゃないということも分かったのでよかった。
⑨人の命の尊さ,またはかなさというものを感じました。生きていることが当たり前になってしまっていた私達に,大事なことを教えてもらいました。多くの命が亡くなってしまった日にも,生まれ た命があり,震災の中ではなくしたものばかりでなく,得たものもたくさんありました。私達にも,これからたくさんの試練や壁にぶつかることがあると思います。震災に比べれば小さなものですが,それでも一生懸命,夢を持って生きていきたいです。
⑩今日の授業で大変な目にあった人々もがんばっているんだなと考えることができました。僕もきつい事にも負けずにがんばっていこうと思いました。
東日本大震災で失ったものだけじゃないんだなと思った。
⑫大震災から数年もたっているので,やはり記憶から忘れられる部分もありました。ですが,今日のような授業で忘れかけていた命の尊さや生きているというありがたさを知りました。

こういった生徒と一緒に道徳授業ができることに幸せを感じてます。