半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5212 台風一過とデジタル教科書

心配していた台風11号ですが,今のところ学校や生徒に周辺で大きな被害があったという連絡はありません。先ほど自宅周りを点検しましたが,大きな被害はありませんでした。しかし,強風のため庭の大量の木々の葉が落ちていましたので,掃除をしました。
1日年休でしたからゆっくりとしてます。
今朝の読売新聞(こんな台風の日にも早朝,新聞が届くことに感動しました)に,アメリカの精神科医,ビクトリア・ダンクリー氏が,学校のICT化やデジタル教科書について発言した記事がありましたので一部を紹介します。
〈引用始まり〉
教科書のデジタル化について
 「米国ではうまくいかず紙の教科書に戻した学校が多い。通信環境のトラブルや機器の故障への対応などで費用が高くなっている。紙の方がスクリーンより速く読め,理解が深まり定着も良いなど,紙の良さを示す研究はたくさんある。仮に学習効果が同じでも,スクリーンを見過ぎると子供に睡眠不足や過覚醒など様々な問題を引き起こす。パソコンは使いやすいように設計されており,障害のある子供も読み書きよりはるかに簡単に習得できる。高校や大学に進学してから学べば十分に間に合う。親はスクリーンが脳に与える影響について正しい知識を持つと同時に,小さい頃からICTに触れなくても,我が子が人生で取り残されることはないと信じることだ。」
〈引用終わり〉
2024年度から小中の英語科でデジタル教科書と紙の教科書の併用が始まります。
2025年度からは,算数と数学でもデジタル教科書の使用が始まるかもしれません。
子供の精神や身体的な影響も心配ですが,教師の指導上でも問題が起こると予想しています。その1つとして,教師が生徒の目や表情を見ながら授業を進めることが難しくなるということです。
つまり,自分のパソコン,生徒のパソコン,スクリーン,黒板など見るべき点が増え,生徒の目や表情から個々の生徒の理解度が把握することが難しいのではないかと思っています。
現場で働く人を増やすのではなく,生徒一人一人にタブレットを持たせることが本当に良かったのでしょうか。
お金の使い方は間違っていないのでしょうか。
さきほどから,雲の切れ目から陽が差してきました。他の地域の被害が大きくないことを願っています。