半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4995 「デジタル・ファシズム」

今日は,朝から公立高校前期入試の引率でした。7時30分から始まり,面接が終ったのは15時40分でした。午前中は,国数英の基礎学力検査,午後は面接でした。つらいのは,面接が終り時間差で会場から出てくる生徒を玄関前で待っていることです。特に今日は寒かったので,3時間,寒い中,本を立ち読みしながらずっと待っていました。これは何とかならないものかといつも思います。
さて,待っている間に「デジタルファシズム」(堤未果 NHK出版新書)を読み終わりました。第Ⅲ部 気になったタイトルだけ紹介します。
・4600億円の利権の「GIGAスクール構想」
・膨大な生徒の個人データをグーグルが収集する
・緩められた自治体の個人情報保護ルール
・公立学校の敷地に5G基地局が建てられる
・教師は全国で1教科ごとに1人いればいい
パンデミックで邪魔な規制は消滅した
・世銀とGAFAの餌食になるアフリカの子供たち
・教育ビジネスとタッグを組んだオバマ大統領
・13億人のAI教師がいれば生身の先生はいらなくなる?
・「タブレットがないと,全部自分の頭で考えないといけない
・待てないデジタルと,待つことの価値
・教育改革は決して急いではいけない
・倫理を持たないAI VS 未来を選ぶ私たち
便利なものには,必ず良い面と悪い面があります。
その悪い面を知ろうともせずに,GIGAスクール構想を妄信することはとても危ないのではないかと思いました。
先日報道された,教員不足のニュースを受けてさらにデジタル化を進むのではないかと心配しています。
大丈夫か,日本の教育。
堤さんは,最後にこんなことを書いています。
「真の危機はコンピューターが人間のような頭脳を持ってしまうことよりも,人間がコンピューターのように考え始めた時にやってくる。」