半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3806 読破77冊目「青空のルーレット」

●「青空のルーレット」(辻内智貴 光文社文庫★★★★★

久々に5つ本です。中編小説が2編収録されています。

「青空のルーレット」は高所窓硝子特殊清掃作業員の話です。つまり,高層ビルの窓磨きをしている若者が主人公の青春小説です。

この話に登場する人々は,夢を持っています。音楽。小説家。芝居。漫画。

夢と現実の狭間で苦悩する若者たちですが,暗い話ではありません。ラストでは元気がもらえます。

この小説で心が揺れた言葉を紹介します。

「夢を叶えるよりも,夢を見る事で,人間は人間になれるんだ」 

特に2編目の「多華子ちゃん」はラストで涙が出ました。

とても静かで優しくなれる小説です。
この小説で心が揺れた言葉を紹介します。

「花。人間は誰でも,いつか,そんな花を,ふと胸に持つ。そして誰もが,いつかしらその花を見失う。けれど,ふと見上げた空の高くには,そんな花がきっと幾つも咲いている」

何とキレイな言葉でしょうか。

生徒に伝えたい言葉です。

 

青空のルーレット (光文社文庫)

青空のルーレット (光文社文庫)