思い出せば,書くことは好きだったように記憶しています。
中学校の頃,友達と推理小説を書いてお互い交換して読み合ったこともあります。
山口大学の西洋史研究室では,年度末に「アゴラ」という会誌を発行していました。もちろん,当時はパソコンやデジカメなどない時代ですから,手書きの原稿を輪転機にかけて印刷して,手動の製本機でつくるというすべて手作りでした。
この会誌は36年たった今も驚くことに,色あせもなく原型のまま残っています。
その会誌に書いた文を少しずつ紹介していこうと思います。
まずは,1983年3月24日に発行された会誌に書いたものです。
ちなみに21歳(大学2年)の頃に書いたものです。
多少文書がヘタなのは笑って許して下さい。
◆「現代脚本家考」その1◆
近ごろ,テレビ番組の中で2時間枠のドラマ,サスペンスもの時代劇などが軒並み増えてきている。この理由としては,従来の連続もののドラマの欠点と言えば,1回見逃せばストーリー展開の理解に無理が来るため,次回からはそのドラマは見ないようになる傾向があった。それに対して単発の長時間ドラマは1話完結なのだから来週のことなどは気にしなくてもよいといったことがあるだろう。このような長時間単発ドラマの急増に伴い,脚本家の不足が顕著になってきたそうである。脚本家というのは,ややもすれば忘れがちだが,テレビドラマのバックボーンとも言える重要なものである。そのドラマが生きていくか否かは脚本家の筆力によるものである。原作の場合は尚更である。
〈その2へ続く〉