半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3049 からの努力

私の授業を参観し,教育実習を行った2人の大学生が教員採用試験に挑んでいます。
本県の中学校社会科の採用人数は5人で希望者は93人です。
競争率は18.6倍になるそうです。
数字だけをみると相当な難関ですが,採用人数は0人ではありませんから,希望はあります。
さて,こういった難関を突破した人たちが正式な教師となり生徒の前に立っているのです。
教師になろうと思った時のことをどれぐらい覚えているのでしょうか。
少なくとも子供のために教師になろうと決心したはずです。
その熱い思いを今でも持って,生徒と日々接しているのでしょうか。
その熱い思いを今でも持って,授業改善に努力をしているのでしょうか。
野口先生は「までの努力」と「からの努力」と言っています。
人はおおよそ「までの努力」は懸命にしますが,いったん合格すれば,あまり努力をしなくなるものです。
しかし,大切なことは「からの努力」です。
つまり,ほとんどの日とは,教師になるために懸命に努力をしたはずです。
しかし,教師になってしまうと,そのような努力を忘れがちになるのです。
「からの努力」には,経験年数は関係ありません。
初任者であろうが,今年で定年退職であろうが,目の前の生徒にとっては,一人の教師なのです。
私自身も教員生活がのこり6年となりましたが,「からの努力」を続けているつもりです。

2人の大学生にとって,「までの努力」が実ることを願っています。