半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2547 読破18冊目「超進学校 開成・灘の卒業生」

●「超進学校 開成・灘の卒業生」(濱中淳子 ちくま新書★★★
いわゆるエリートを数多く輩出している開成高校灘高校を卒業した生徒が実際のところどのような人生を歩んでいるのかを調査した結果をまとめた本です。
東大や京大などを卒業したのち,医者や国家公務員になり,各分野でリーダーシップを発揮している学生が多いという勝手なイメージをもっていました。
確かに一般大卒よりも,医者や公務員や大学教員や研究者になった学生が多いという結果がでています。
しかし,次のような課題もあるそうです。<引用始まり>
開成や灘をはじめとする超進学校の大きな特徴は。生徒の自主性を重んじることにある。そして,この特徴を高く評価する卒業生は多い。ただ,自主性を尊重する環境では,個性は伸びたとしても,よほどの誘因が用意されない限り,社会を引っ張っていこうとする意欲は育たないのだろう。<引用終わり>

なかなか興味深い話です。
リーダーをどう育成するかという問題は,一般的な学校だけでなく超進学校でも問題になっているのです。
確かに昔に比べて,学級や部活動全体のことを考えた言動をとる生徒が少なくなってきたように思います。
学校現場では学力向上も大切ですが,リーダー育成も大切になっているのです。