半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2279 命の教育

今回の殺人事件をきっかけにして,新聞や雑誌に「命の教育」を見直す必要があるという意見が出てきています。
また,この「命の教育」がマンネリ化してるのではないかという意見もあります。
この10年間「いのちを見つめる教育週間」では,道徳授業を中心においた様々な行事を公開してきました。
その例をいくつか挙げます。
①花や植物を育てる。
②校内にビオトープなどつくり,生き物を育てさせる。
③生徒たちに本物の赤ちゃんを抱かせる。
④聴診器でお互いの心臓の音を聞かせる。
助産師さんの話を聞かせる。
⑥病気や事故で子供を亡くしたお父さんやお母さんの話を聞かせる。
⑦病気やハンデを抱えている人の話を聞かせる。
⑧命の大切さを歌にして表現する。
⑨自分が生まれてきた時の様子をお母さんやお父さんにたずねる。
上に挙げた例の他にもいろいろな行事を行ってきました。
その目的は1つです。生徒も教師も当たり前だと考えている「命が大切である」ということを伝える,教える,考えさせえるためです。
毎年,6月が近づくと現場教師は,どんな道徳授業をすればいいのか,どんな行事を行って公開すればいいのかとても悩みます。
同僚に相談したり,職員会議で検討したりします。
中には,私に資料を提供してい欲しいという教師もいます。
それぐらい,考えているのです。悩んでいるのです。
どうすれば,生徒に「命が大切である」ということを伝えることができるのか。もっと深く考えさせることができるのか。
苦しんでいるのです。

初めに戻ります。
ここまで頑張っている現場教師に「命の教育」を本当に見直すことができるのでしょうか。
どんな風に見直すのでしょうか。
「命の教育」を全市的に10年間も続けてきたことをもっと評価すべきではないでしょうか。
「命を大切にする」ということを教える方法がそんな数多くないからこそ,マンネリ化してしまうのではないでしょうか。
「命の教育」は必要条件だとは思いますが,十分条件ではないと考えています。
みなさんは,どう思いますか。