半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2152 AKB48から人生を学ぶ

先週,発行した「学年通心」第10号より紹介します。

■AKB48から学ぶ人生の分岐点
 6月8日土曜日にAKB48の総選挙がありました。この選挙に関して,次の3つのことに興味を持ちましたので紹介します。①立候補制ということです。選抜メンバーはもちろんですが,名古屋,大阪,福岡にある劇場の研究生も立候補してもいいことになっています。逆に大島優子さんなど神セブン(選抜総選挙上位7名)でも立候補しなくてもいいのです。②専属の臨床心理士スクールカウンセラーがメンバーの精神的サポートを行っています。③足の引っ張り合いや自信喪失などのマイナス面がでたら選挙は止めるということです。AKB48の総合プロデューサーである秋元康さんは,次のように書いています。「人生の分岐点をしっかり見すえて,次のステップに進もうとする彼女たちの成長ぶりに驚いた。AKB48のような恵まれた環境の中にいる方が楽なのはわかっていても,それに流されず,自分の足で立とうとする彼女たちの意志に感動した。もちろん,なかなか選抜メンバーになれず,不満が鬱積した者もいるだろう。AKB48の看板なしに一人で外でどこまでできるかやってみたいと思った者もいるだろう。あるいは,声優を目指して勉強したい,留学したい,大学に進学したいというような,ここではないどこかを見つけた者もいるだろう。総選挙に立候補するか,しないか迷った時,まさに二つの道が見えたのだと思う。AKB48は,まさに学校だ。大所帯のアイドルグループだから,本人たちの自主性に任せている部分も多い。校則らしきものはあるが,それもあやふやだ。だから自由だ。教育方針に合わないと思えば退学すればいいし,他にいい学校を見つけたらならそっちへ転校するのもいい。大切なことは,みんな,AKB48に入ったから人生の分岐点を見つけられたんだということである。決してAKB48がいい学校だと言っているのではなく,道を進まなくては分岐点は見えてこないということだ。じっと立ち止まっていたら,今も進むべき道は見つからなかっただろう。(平成25年5月26日付読売新聞日曜版『1分後の昔話』より)
 人生には,小さな分岐点から大きな分岐点が訪れます。そういった意味でも,中学3年生というのは大きな分岐点の1つと言えるでしょう。高校に進学する人もいれば,就職する人もいるかもしれません。立ち止まっている人には,分岐点はやってきません。前に向かって進む人だけに訪れるのです。2年生のみんなは,3年生で訪れる大きな分岐点に向かって全力で進んでほしいと思います。