半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5788 親が子どもに人生を語るきっかけ

毎日,昔の週案(教師が授業や日々の出来事を記録しておくもの)をパラパラとめくっています。

昔の自分がどんなことを考え,どんな実践をしていたかを確認するためです。

平成29年度A中学校で第3学年の学年主任をした時の週案に貼付していたプリントに目が留まりました。

タレントの志村けんさんを扱った道徳授業「天才なんていない」を行った後に,保護者のMさんからもらった感想です。

(2017年10月10日)

 

昔は,昔はって言うのは良くないことと思っていましたが,娘に前には,やめたいと思っても簡単にはやめられなかったことを話しました。

娘がまだ保育園に通っていた時,さらに上の資格をとろうと目指し,大変でしたが,その時の先生が,登りつめたその頂上の景色は素敵なものですよ。頑張ってその景色をみましょう。と言われました。

そして,合格した時の喜びは今でも忘れることはできません。

合格するまでの過程はつらかったですが,その時に頑張ったからこそ今があると私は思っています。娘にも強く育ってほしいです。

 

私は,道徳授業で使う資料(プリント1枚)の下に保護者からの一言(5行程度)という枠を設けています。(きりとりせんをつけています)

さて,ここからは想像です。

①道徳授業「天才なんていない」を受けた生徒Mさんは,その授業で心に響くものがあった。

②授業で使った資料を母親に見せようと思った。

③母親は,その資料を読み,授業の様子を娘から聞いた。

④母親は,娘に自分の人生の一部を語った。

⑤それらを総合して,母親は,「保護者から一言」を書こうと思った。

⑥生徒Mさんが,私に「保護者からの一言」のプリントを渡した。

 

道徳授業は,学校でやって終わりではないのです。

上で想像したように,1つの道徳授業をきっかけにして,生き方について子どもと保護者の間に会話が生れるのです。

今,自分の子どもに人生を語る親がどれぐらいいるでしょうか。

道徳授業は,そのきっかけになることもあるのです。