半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2337 家庭とつなぐ道徳授業

道徳授業が終わった後は,どうしていますか。
生徒の感想などを学級通信に掲載して,家庭へ連絡することが多いと思います。
しかし,それだけでは道徳授業を有効活用できません。
道徳教育は,学校だけではなく,家庭と連携をとることで効果が高まるのです。
教師と保護者が同じ歩調で,教育をするのですから,うまくいくのです。
では,その連携をとるためにはどうすればいいのでしょうか。
毎時間の道徳授業を保護者に参観してもらうことはできません。
しかし,生徒が受けて道徳授業の資料を使って,家庭でもう一度,話し合うことはできます。
そのために,私が行っていることを紹介します。
①道徳授業では,動画やパワーポイトだけを使わずに,必ず読み物資料プリントを用意します。家庭へ持ち帰らせるためです。
②資料の最後の部分に,家庭からのコメントを書く欄をつくっておきます。
③授業の様子を学年通信で紹介します。
④生徒の感想や保護者のコメントを学年通信などに掲載して紹介します。

さて,先日行った道徳授業に対して,3人の保護者から意見を書いてもらいました。ということは,少なくとも3人の生徒が家庭で道徳授業を話題に出したということです。
とてもうれしくなります。

そのコメントを紹介します。


・我が子が産まれてきた時と重ねて読ませてもらいました。地震で混乱している中でのお産。とても不安で想像以上の出来事だったと思います。生まれる事,生きる事,ごく当たり前の事を「かけがえのない事」と体験の中から思い,私もこの体験を読む事で,本当にそうだなぁ,かけがえのない事,とても大切にしていかなければいけない気持ちだなと思いました。人は当たり前の事を幸せだと感じる事を忘れてしまいがちですね。安心こそが最大の幸せではないでしょうか。
・あの未曾有の災害の中で,自分の避難よりも患者(妊婦さん)の命と安全を第一に考え,そのお陰で生まれた命。耳を塞ぎたくなる事件が頻繁に起きている中で,心がほっこりとする気がしました。又,比較的自然災害の少ない長崎で生活出来ている事にもありがたいと思います。せっかく与えられた命だから皆大事に生きて欲しいです。
・改めて命の重さをしっかりと子供達に話さなければと考えております。最近のニュースでは「人を殺してみたかった」とか「だれでもよかった」とかゲームやテレビによりあまりにリアルで現実とバーチャルな空間の違いが分からなくなっているかもしれません。危険な時代から子供を守るためにもスマホの使い方をセーブして身近な大切な命を守っていきたいと思いました。

こういったことを地道に行うことで,学校と家庭がつながり,生徒を良い方向へと導くことができると思うのです。