半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5583 全国学力調査結果公表

国学力学習状況調査の結果が公表され,各学校でも学校だよりで保護者に知らせています。

この結果は,文章表現ではなく学校長の判断で調査結果の正答率を数値で公表できるそうです。

そこで,ネット上にアップされている市内中学校の学校だよりを見てみました。

すると,ほとんどが,全国,県,市の正答率の数値と分析と対策を文章にして掲載していました。

中には,「市平均並み」「市平均より下」などと書いた学校もあります。

しかし,全国,県,市,そして自分の学校の正答率まで数値で公表している学校もあります。

これによって,どんなことが起こるか予想してみました。

①ポイントが低い教科の先生への批判が起きる

②その学校の生徒のイメージが下がる

③その学校で自信がなくなる生徒が増える

④他の学校も数値を公表してほしいという声が起きる

⑤その学校と他の学校が比較されしまう

 

さて,文部科学省は,調査結果の取り扱いについて,通知の中でこう書いています。

序列化や過度な競争が生じないようにするなど教育上の効果や影響等に十分配慮する
ことが重要である。 

 

自分の学校の正答率を数値で公表した校長は,教育上の影響について十分配慮したのでしょうか。

公表することで,序列化や競争は絶対に起きないと考えたのでしょうか。

疑問です。

もし,自分がその学校の生徒だったら嫌だと思います。

この調査は,毎年,しかも悉皆で実施する必要性があるのでしょうか。

やればやるほど,教師も生徒も元気がなくなっていっているように思います。

今後,3年ごとの抽出調査で十分だと思います。