今年読んだ本の中で一番良かった本です。
伊予原さんは,初めて読んだ作者さんです。6編の短編が収録されていますが,どれも味のあるしかも涙腺がゆるんでしまう,感動本でした。
読んでいてハッとさせられた部分です。「アンモナイトの探し方」から一部を引用します。
〈引用始まり〉
この一帯がかつて炭鉱で栄えたという話は,塾でちらっと聞いたことがある。夕張市などは今や財政破綻の状態だということも。ただ,塾の講師はこうも言っていた。覚えておくべきなのはそんなことではなく,日本の石炭の輸入先第一位がオーストラリア,二位はインドネシアだということ
〈引用終わり〉
自分がまだ感動する心を持っていたことを再確認できました。
こういった感動を大切にすることで,情が深くなるのだと思います。