半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4012 読破12冊目「魂でもいいから、そばにいて」

○「魂でもいいから、そばにいて~3.11後の霊体験を聞く~」(奥野修司 新潮文庫★★★★

臨時休校になり,部活動がない日を全国の中学校教師はどうすごしているんでしょうか。時間的に余裕ができましたが,学校の勤務時間には読書はできません。ということで,ネットで3冊ほど購入し,その1冊をコーヒーを飲みながら読みました。
読みながら何度も涙でそうになるのを我慢しました。(居間で妻が家事をしているので)おそらく,一人で読んでいたら,泣いてしまっていたかもしれません。
「魂でもいいから,そばにいて」(奥野修司 新潮文庫
東日本大震災では,1万8000人以上の死者や行方不明者が出ました。その被災地で不思議な体験が数多く語られているそうです。震災で亡くなった人との再会と言える不思議な出来事です。霊となって再会した母,亡くなった夫から届いたメール,亡くなった幼い息子が遊んでいたおもちゃが突然動き出すなどです。これを心霊現象や超常現象という興味本位の言葉でくくりたくありません。
亡くなった人が,今を生きている人を支えるという,科学を超えた「思い」や「愛」を描いたノンフィクションだと思います。
こんな文章が出てきます。
〈引用始まり〉
「亡くなった二人はときには姿を見せ,ときには語りかけ,ときには励ましてくれる。たとえ,つかの間の触れ合いであっても,先に逝った者が,この世に生き遺った生者に生きる力を与えてくれるなら,こんな邂逅があってもいいだろう。」
〈引用終わり〉

地名が多く出てきますので,その思いを少しでも感じ取りたいと考え,グーグルマップやグーグルアースで確認しながら読み進めました。本の中の言葉と復興途中の画像が心を大きく揺さぶりました。
もうすぐ3.11が来ます。その日の前にどうしても読んでおきたいと思った1冊です。