半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

5174 理科離れと黄金時間

今朝の読売新聞の「編集手帳」に全国学力調査のことが書かれていました。その中で,理科の正答率が低いのは,子供の実体験が少ないからではないかということが書かれていました。自分の子供の頃を思い出すと,遊びを通していろいろなことを考え,試し,工夫することが多かったようです。つまり,どうすれば,より楽しくなるか,面白くなるかという理由だけで動いていたのです。例えば,どうすれば自転車のスピードが速くなるか,どうすれば,紙飛行機の対空時間を伸ばすことができるか,どうすれば,カブトムシをたくさん捕獲できるか,どの木の実が食べられるのか,どの草が止血できるのか,どうすれば,コマを長時間回せるか,どうすうれば,アリの侵入を防ぐことができるかなどなど数え上げればきりがありません。
単純に,遊びをより楽しく面白くすることを考えていたのです。
現在の子供は,ゲームやネットやタブレットで遊ぶことが多く,野山で走り回って遊んでいた私とは全く違う世界に生きています。
現在の子供たちは,タブレットを使って何でもすぐに調べてすぐにわかります。
しかし,私の子供の頃は,すぐに調べる道具がなかったからこそ,自分の頭で考え,思考し,失敗し,そしてうまくいったのです。(もちろん,ほとんどが失敗でした)
すぐにわかるということが,子供から学ぶ楽しさを奪っているように思えてなりません。
ラジオ体操に出ていくと,夕方までずっと遊んでいた小学生の頃を思い出しました。何もなかったかれど,あれがきっと黄金の時間だったのだと思います。