半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

2330 スピードが集中力を生む

社会科の進んだ研究をしている教師が行う授業を参観すると,自分の授業と大きく違っていて,とまどいます。
中学生を50分間席に座らせ,無駄なおしゃべりをさせずに,ノートをとらせ,教科書を読ませ,作業させ,考えさせ,発表させることは非常に難しくなってきていると実感した頃から,授業のスタイルを変えました。
そのスタイルを修正しながら実践しています。
年数で言えば,15年ほどになります。
私の授業の特ちょうは,次の通りです。
①全員参加
②挙手指名システムの排除
③書く,考える,調べる,話し合う,作業するなどを短い時間で取り入れる。
④机間巡視を繰り返し行い,個別即時評価をする
⑤スピードとテンポを大切にする

このような授業でいいのか,常に自問自答しながら実践してきましたが,野中信行先生のブログを読んで,安心しました。


〈引用始まり〉
しかし、この挙手発言型の授業にはさまざまな問題点もある。
 「味噌汁・ご飯」授業を考えるようになって、そのことに気付くことができた。
今問題点として考えてみると5つほどあげることができる。
 ①「はい、はい、はい」と盛んに手を挙げている授業は、冷静に見ると他の子供の意見はそっちのけで、とにかく自分に当ててほしいという一心である。
 ②課題に対して深く考える。友達の発言をよく聞く。授業では、こちらの子供の姿勢がもっと大切であるはずなのに、こんなことはそっちのけになる。
 ③「発表すること」だけが良きことだという考えを子供に植え付けていく。
 ④手を挙げながら考えようとする外向的な子供を大事にし、内向的な子供を引っ込ませていく。
 ⑤このような挙手発言型の授業を続けていると、結局傍観者を多く作り、全員参加の授業になることはできない。

じゃあ、それに変わる授業というのはどうすればいいのか?」
と言われるのかもしれない。

 さまざまなところで、私も授業をしている。
 「味噌汁・ご飯」授業である。
 下手な授業だが、挙手発言型の授業とは違った授業をしている。

 全員参加の授業。
 緘黙の子供だって、知らぬ間に発言しているという感じになる。

 どんな授業なのか。

 スモールステップの繰り返しの授業。

 小刻みに活動を繰り返していく。

 アウトプット型の授業と言っていいだろうか。
 
 書く、発表する、ペアで話し合う、グループで話し合う、さまざまに動く。

 これらのものが混ざっていく。 

子供にとっては、片時も暇な時間がない、スピード感いっぱいの時間だが,彼等はこんな授業に乗ってくるのである。
〈引用終わり〉

どんなに進んだ授業をしていても,どんなに流行にのった授業をしていても,全員が参加していない授業は授業とは言えないと思います。
傍観者をつくらない授業を日々模索しているのです。