半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

4161 すべては「信頼関係」

野口芳宏先生は,教育が成立する条件として,「信」「敬」「慕」を挙げられています。特に大切である「信」について,こう説明されています。

「信」
 教育は信じ合う間柄においてのみ成立する。不信感を持つ人の言葉に耳を傾ける者はあるまい。教育はまず信用され、信頼される相互関係から出発するのである。教育の成立の第一条件は実にこの「信」の有無にある。
 人と人の交わりの根幹は「信」であると福沢諭吉は強く訴えている。私たち教師は子どもをまず信じるところからスタートしなければならない。
 「必ずよい子になる・よい子にさせる」と信ずればこそ、日々の実践に力が入り、希望につながり、楽しみが生まれてくるのである。
 伸びていく子どもの姿を目のあたりした親は教師を信頼する。このようになれば、教師は自分の実践の手応えを感じ、日々生活できる。これに勝る教師としての喜びはあるまい。
 まずは、ひたむきに子どもを信じ、子どもの成長を確信して事に当たるべく努めることが出発である。

 

つまり,生徒との信頼関係ができていれば,教育はうまくいくということです。

もっと言えば,教師の授業が多少下手でも,多少失敗しても,多少話が下手でも,多少運動が苦手でも,生徒はついてきてくれるのです。(全然ダメでは,教師として失格ですから,多少です)

そうであれば,教師は生徒との信頼関係づくりに力を注ぐ必要があるのです。

それを意識している教師はどれぐらいいるのでしょうか。

授業の開始と終わりの時刻を守る。

言ったことは必ず実行する。

生徒のためにすぐに動く。

生徒の変化にすぐに気づき,声をかける。

ゴミをすぐに拾う。

生徒と一緒に遊ぶ。

生徒は教師の日々の姿をしっかりと見ているものです。

夏休み中の早朝から駅伝練習に付き合うことも生徒との信頼関係をつくる上で大切なことだと思って実行しています。

そういえば,テレビドラマの「3年B組金八先生」で,金八先生がこんなことを言っていました。

「裏切られても裏切られても,それでも生徒を信じきるのが教師だ」

けだし名言です。