半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3982 読破8冊目「アイスランド」

〇「アイスランド」(椎名誠 日経ナショナルジオグラフィック社)★★★★

まずは,美しい写真に感動しました。アイスランドは氷と火山の島国ですが,幸福度ランキング9位ぐらいだそうです。この本の最後にシーナさんが,幸福についてこんなことを書いていました。
「ぼくはこんなふうに,世界のいろんな土地で書き切れないくらいの様々な風景を見てきた。そうして,いつの旅でもやがて日本に帰ってくる。そのとき必ずいつも形容の難しい「違和感」におそわれる。しかもそれは外国に行くたびに増しているのを感じる。」
この違和感とは,こんなものです。
①同じ格好としぐさでスマホと対峙する人々
②大きな音の宣伝音楽
③町に立ち並ぶ自動販売
④子供が夜遅くまで塾に行っている
⑤大量の人々がどの国よりも1.5倍速で動き回っている

最後にこんな文で終わっています。
「我々の国に住んでいる人々は,おそらくいまの自分が幸せなのか不幸せのか本気で考えていないような気がする。考える尺度がわからないからだろう」

「幸福について考える尺度」

いい言葉です。

最近,幸福について考えることがあり,学年通信にも書きましたので,シーナさんのこの文に心が留まりました。

 

アイスランド 絶景と幸福の国へ

アイスランド 絶景と幸福の国へ