半径3mの教育論

中学教師の教育雑感記

3826 読破86冊目「僕はただ青空の下で人生の話をしたいだけ」

●「僕はただ青空の下で人生の話をしたいだけ」(辻内智貴 祥伝社文庫★★★

今まで読んだ辻内さんの小説とは,一味違った趣の短編集です。

まあ,私小説と言ってもいいと思います。

しかし,いつもと同じように読後は心が温かくなりました。そして,いつくかの文をノートに書きだしました。

〈引用始まり〉

幸福とは,それらを味わうことに因って,その味わっている人間の心の中にポカリと咲く花のことである。

老婆の心の中で,小さな花が,一つゆっくりと開いていくのが三郎には解った。

そのおだやかな一枚一枚の花びらが音も無く,老婆の心の中であたたかにゆれている」

〈引用終わり〉

おだやかで優しいたとえです。