●「教育と授業ー宇佐美寛・野口芳宏往復討論」(宇佐美寬・野口芳宏 さくら社)★★★★
とにかく刺激的な本です。
お互いが尊敬しあっているからこそ,このような討論ができると思います。
宇佐美先生の哲学的なつっこみ,野口先生の実践に基づく理論による切り返し。
目には見えませんが,ページをめくるごとに火花がはじけ飛んでいます。
お二人から多くのことを学ばさせていただいている私にとっては,たまらない本です。
ページをめくる指が少し震えたぐらいです。
以前読んだ「道徳の研究授業」(日本教育技術学会編 明治図書)には,宇佐美先生が小学5年生に道徳の研究授業を実践された記録とその後の研究討議の様子が掲載されています。研究討議のメンバーがものすごいです。
大西忠治先生,藤岡信勝先生,野口芳宏先生,向山洋一先生などです。
この中で野口先生は,以下のように書かれています。
〈引用始まり〉p124
今回の宇佐美先生のご授業は,研究者自らが,批判の座を降りて,敢えて批判を受ける授業者にまわり日頃のご見解を実地に証明されようとした点においてまことに大きな意義があると思う。このようになってこそ,研究者と実践者とが本物の連帯を生み得ることになるのだと思う。
〈引用終わり〉
ここに書かれているように,「教育と授業」は,研究者と実践者との連帯を生み出した1冊であることに大きな意義があると思います。